今夏に開催されるパリ・オリンピック（五輪）の卓球女子シングルス日本代表選考（選出2人）は1月26日、平野美宇（木下グループ）が残り1枠に入ることが確実になった。最初の1枠は、すでに早田ひな（日本生命）が手にしていた。
五輪シングルス日本勢初となる金メダルを目標に掲げていた伊藤美誠。卓球王国・中国からも恐れられていた日本のエースだが、五輪の選考会では成績不振が続き、涙を流していた。今後についても、引退への道筋を思案している様子をうかがわせた。
平野美宇が初のシングルス五輪出場決定
卓球の全日本選手権は22日に東京体育館で開幕した。国内選考会を中心に、2年間にわたって行われたパリ五輪代表選考の最終対象大会でもあり、女子シングルスは早田ひな（23）が五輪切符を決めているため、残りは1枠ということで注目を集めていた。
選考ポイントで2番手の平野美宇（23）と、3番手の伊藤美誠（23）（スターツ）の一騎打ちとなるが、ポイント差は僅差。2人は決勝戦まで直接対決の可能性はないものの、平野美宇が決勝進出を決めた時点で、伊藤美誠の落選が決まるということがわかっていた。
そんな中で、26日、平野美宇が8強進出を決めた一方、伊藤美誠は6回戦で敗退。木村香純（トップ名古屋）にマッチポイントを握ってから、3−4でまさかの逆転負けとなり、16強止まりとなった。結果、選考ポイント3番手の伊藤美誠は平野美宇を上回れなくなったため、この時点で平野の代表入りと伊藤の落選が決まった。
山梨県出身の平野美宇は2016年リオデジャネイロ五輪では団体の補欠で、また2021年の東京五輪はシングルス代表入りを逃した。今年のパリオリンピックがシングルスとしては初のオリンピックとなる。
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五輪代表の正式発表は2月5日の予定。伊藤は2大会連続のシングルス代表は逃したが、団体戦のメンバーに選ばれる可能性がまだ残されている。
一番に代表入りを決めていた早田ひなは、27日には4強入りを決めた。同大会連覇を狙う早田は「自分のことで精いっぱいで他の選手を気にしている余裕はない」と前置きした上で、前日の同級生の盟友2人の壮絶な決着を映像で見たとした。
「パリ五輪の（シングルスの）切符は2つしかなくて残酷」「なんで（シングルス代表は）2枠しかないのかなって、やっぱり率直に思う」と本音を吐露していた。
東京五輪では補欠だった早田。現在は日本のエースに君臨しているが、小学生時代から争ってきた平野、伊藤の存在について「あの2人が雲の上の存在。今でも自分が断トツで１位のつもりはない。あの２人が（上に）いてこそ、今の私の立場がある」と強調。
また、無念のシングルス代表から落選となった伊藤をおもんぱかった上で「伊藤選手の分もシングルスは絶対金メダルを取りにいきたいという覚悟」と思いを強くしていた。
