パリ五輪は平野美宇が代表権獲得!落選の伊藤美誠は号泣で引退も視野か

伊藤美誠は落選で号泣

出典:公式サイト

世界ランク最高2位の日本のエース・伊藤美誠が、まさかの16強で散り、逆転での五輪切符獲得はならなかった。試合後の会見では終始、涙で声を詰まらせながら2年間の代表レースを振り返った。

「東京五輪が終わってからは、卓球は大好きだけど(パリ)五輪を目標にするのはやめておけばよかったと思う瞬間がいっぱいあった」と、体調不良やモチベーションに苦しんだことも明かした伊藤美誠。

心身の歯車がかみ合わないまま、伊藤美誠のパリ五輪代表レースが終わった。東京五輪では出場した3種目全てでメダルを獲得し、混合ダブルスでは日本卓球界初の金メダルをもたらした第一人者だったが、国内選考会が中心となったパリ五輪代表争いでは後手に回り、ついに完全復活を遂げることなく幕を閉じた。

死力を尽くして勝ち取った2021年夏・東京五輪の栄光の余韻に浸る間もなく、翌年3月からは次のパリに向けた代表選考会がスタート。新型コロナウイルスの影響で東京五輪の開催が1年遅れたことも過密スケジュールに影響したか。

「まだ目標を立ててない間に『パリ頑張ってね、優勝してね』と言われて、先に目標を立てられてしまって、わけの分からない気持ちになっていた」とも明かした伊藤美誠。東京五輪の絶対的エースも、選考会ではいきなり5位と出遅れてしまった。

その後も国際大会に転戦しながら、選考対象となったTリーグにも初参戦したが、海外とは使用球やプレースタイルが異なる国内選手との度重なる対戦にアジャストしきれないまま、疲労やダメージが蓄積していった。

腰部の痛みに悩まされ、昨年末から今大会前にかけては咳に苦しみ、それによって肋骨にひびが入るなどの不調がたび重なった。卓球王国・中国も恐れた「大魔王」伊藤美誠の成績不振は、中国でも大きなニュースとなっていたそうだ。

今後は引退も視野か

気持ちがついていかないまま、時間をかけて「パリ五輪でのシングルス金メダル」という目標を掲げた伊藤美誠だったが、選考レースでは思うようにポイントを伸ばせず、選考大会の度に涙を流した。

「大事な試合の前にどうしても体調を崩す機会が結構あった。(今大会も)耐えて耐えて耐えまくろうと思っていたが、最後耐えることができなくて、大きな目標としていた五輪は閉ざされてしまった」と唇をかみつつ、「でも最後までたたかえたことは本当によかった」と言い聞かせた。

パリ五輪に向けては、3枠目の団体戦代表に選出される可能性が今もまだ残っているが、シングルスでの日本初の金メダルを1番のモチベーションにしていただけに、複雑な気持ちでいる様子だ。

「私はずっとシングルスで優勝したいことを目標にしていて、団体戦に選出されても出るかどうかハッキリ決まってない」と、代表に選ばれたとしても辞退する可能性もあることを示唆した。

「まずは落ち着いて、どこまで(現役を)やるかをしっかり考えたい」と、引退への道筋を思案している様子もうかがわせた。「昔からの目標はいいところでやめたいのが1番なので、これで終われない気持ちはすごくあるんですけど、終わりたいって気持ちもある」とした。

「でもいいところで終わりたいから、もう少し欲張って頑張ります」と、今後のキャリアについて複雑な心中を口にした伊藤美誠。まだまだ彼女の活躍するところが見たいが、気持ちに整理をつけるのは簡単ではなさそうだ。

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