福島原発事故の現在!除染事業のはずが役員実家の草むしり?除染廃棄物として請求

2011年(平成23年)3月11日に起こった東北地方太平洋沖地震・津波の影響により、東京電力の福島第1原子力発電所で炉心溶融(メルトダウン)など放射性物質を排出することとなった原子力事故。

現在では清水建設のJV(共同企業体)除染作業員が福島第1原発事故の除染を行っている。そんな除染作業が、除染の対象地域ではない清水建設執行役員実家の草むしりなどを行っていたことが報道された。

除染作業が役員実家の草むしり?

出典:pixabay

2016年8月平日に清水建設のJV(共同企業体)の下請け企業除染作業員が、清水建設の執行役員の実家の草むしりをする様子を撮影した写真が公開された。

清水建設の執行役員の実家は完全に除染の対象地域ではないが、作業員12人が草むしりを行っていたことが報じられた。

作業車でやってきた除染作業員たちは、この執行役員の実家裏庭などをおよそ5時間かけ、作業道具を使って草むしりしたという。

除染作業員に指示

執行役員の実家裏庭などをおよそ5時間かけて行われた草むしりに参加した除染作業員は、

「『清水建設の偉い人の実家だから、気をつけてやれ』と。『ガラスとか割ったり、家を傷つけたりすればクビになるからな』って。みんな集められて、きょうは大熊で(の除染作業として勤務に)つけていいからって」

と、語っているという。福島第1原発事故の除染は国から危険手当1万円が日当に上乗せして受け取れる。下請け企業幹部指示で、草むしりを除染作業として勤務報告していたようだ。

「除染で出た廃棄物と一緒に処分という形でやりました。おかしいなと思いました」

と、衝撃のコメントまで出ている。

下請け企業のコメント・売上

清水建設執行役員の実家裏庭の草むしりなどを行っていた下請け企業の代表は、仮置き場への投棄と、危険手当の国への請求を当初は否定をしていた。

しかし、写真・除染作業員まどのコメントなどが世に出てきた現在、下請け企業の代表は、除染作業員に違法な草むしりなどをさせたことを認め、

「深く反省している」

と話している。この下請け企業は、原発事故が起こった2011年の翌年に設立され、清水建設の下請けとして年間100億円を売り上げるまでに急成長している。

福島原発の現在

2011年(平成23年)3月11日に起こった福島原発事故以降、4号機の使用済燃料プールの燃料については、2014年12月22日に1,535本全ての取り出しを完了。

1・2・3号機についても、使用済燃料の取り出しに向けガレキの撤去などを進められ、2017年1月から3号機に関して燃料取り出し用設備の設置作業を開始。

原子炉内で溶けて固まった燃料の取り出しに向け、ロボットなどの遠隔操作機器や装置を使い、原子炉格納容器内部の調査が現在も行われている。

内部の損傷状況や放射線量データなどの現在の詳細な情報がロボットなどを用いて確認・収集されるなど着実に内部状況が明らかになりつつある。