アカデミー賞に君たちはどう生きるか&ゴジラ!日本ではオッペンハイマー批判も

第96回アカデミー賞の結果が注目を集めています。日本時間2024年3月11日にアメリカ・ハリウッドのドルビーシアターで授賞式が開催され、アメリカの司会者で俳優のジミー・キンメルが司会を務めました。

注目されていたのは、スタジオジブリの「君たちはどう生きるか」。海外勢がこの作品をどう見るかに注目が集まっていましたが、このたび「千と千尋の神隠し」以来、見事21年ぶりのジブリ作品の受賞となりました。

オッペンハイマーが7冠 日本では批判も

アメリカ・ロサンゼルスで第96回アカデミー賞の授賞式が開催され、作品賞は「オッペンハイマー」が受賞しました。最多13部門にノミネートされていたオッペンハイマーは、作品賞でも本命視されていました。

同作は作品賞に加え、監督賞・主演男優賞・演男優賞・撮影賞・編集賞・作曲賞で7冠受賞となり、文句なしの結果となりましたが、公開前には日本ではこの映画に対して多くの批判も集まっていました。

オッペンハイマーは、「原爆の父」とも呼ばれる、原子爆弾の開発に携わった物理学者J・ロバート・オッペンハイマーの栄光と没落を描いた映画。第二次世界大戦下に世界の運命を握った天才の生涯をもとに描いた実話となっています。

日本では世界公開から数ヶ月遅れて公開されましたが、これには広島・長崎への原爆投下による凄惨な被害状況を伝えるシーンが出てこないことや、米国人の原爆軽視が疑われる「バーベンハイマー」騒動などにより、日本国内では公開が見送られていたという経緯がありました。

作中では、恐ろしい兵器を作り出してしまったオッペンハイマーの苦悩が描かれてはいますが、実際に20万人以上が死亡した広島・長崎での原爆投下シーンを出さないというのはなんだか違和感はありますよね。

実在の人物を描いた伝記映画作品としては歴代No.1の興行収入を獲得し、今や「クリストファー・ノーラン監督史上最高傑作」とも称される作品となったものの、実際に被害を受けた日本側と、「原爆のおかげで戦争は終わった」と思っているアメリカ側とは、やはり相容れないものがあるのでしょう。

そのため今回の「オッペンハイマー」の受賞に際しても、「あの地獄は描かれなかった」「監督がスピーチで戦争について一切触れなかった」「広島と長崎を描いた上で全アメリカ人が見るべき」などといった意見や批判もXでは見受けられました。

また、同作で助演男優賞を受賞したロバート・ダウニー・Jrが、ステージ上でアジア系の俳優をあからさまに無視した振る舞いをしたことで、アジア人差別とニュースになり、なんだか後味の悪い授賞式ともなりました。

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