アカデミー賞に君たちはどう生きるか&ゴジラ!日本ではオッペンハイマー批判も

「君たちはどう生きるか」21年ぶり快挙

上記のようなことはあったものの、嬉しいニュースもあります。日本からは、「ゴジラ-1.0(マイナスワン)」と、ジブリの「君たちはどう生きるか」が受賞し、日本作品のダブル受賞となりました。

なお、国際長編映画賞にノミネートされていた役所広司主演、ビム・ベンダース監督の「PERFECT DAYS」の受賞はありませんでした。

宮崎駿監督の作品がアカデミー賞にノミネートされるのは、「千と千尋の神隠し」「ハウルの動く城」「風立ちぬ」に続く4度目。日本から同部門で受賞となったのは「千と千尋の神隠し」以来21年ぶりとなっています。

「君たちはどう生きるか」が受賞したのは、長編アニメーション賞。この作品は、第2次世界大戦下の日本、母を火事で亡くした少年が不気味な青サギに導かれ、生と死が入り交じる異世界に迷い込むファンタジーとなっています。

出典:スタジオジブリ公式サイト

奇しくもこの作品も「オッペンハイマー」と同じく、第二次世界大戦にまつわる作品となっていますね。なお、英題は「The Boy and the Heron」で、海外ではアニメーション作品として初めてトロント国際映画祭のオープニングを飾りました。

結果を受けて本日3月11日にスタジオジブリ内にて記者会見が行われ、鈴木敏夫プロデューサーが出席。「心の底からうれしいですね。スタッフに感謝していますし、皆の力で成し遂げられた」と喜びました。

また宮崎駿監督とは電話で話したといい、「宮崎は『日本男児として喜ぶ姿を見せてはいけない』と言ってたんですが、それでもどこかうれしそうで」と、ユーモア混じりに宮崎駿監督の様子も話しました。

ゴジラがアジア映画初の快挙

そして今回、山崎貴監督の「ゴジラ-1.0」(英題:Godzilla Minus One)が、日本映画として、ひいてはアジア映画として初めて視覚効果賞を受賞したことでも話題を集めています。

同部門ではスタッフが受賞するケースがほとんどですが、このたび山崎貴監督が受賞。同部門における監督の受賞は「2001年宇宙の旅」のスタンリー・キューブリック以来55年ぶり、史上2人目となります。

日本で製作された実写版ゴジラの30作目にあたる本作では、焦土と化した戦後日本を舞台に、突如姿を現したゴジラが、すべてを失った人々を負(マイナス)に叩き落すという物語となっています。

こちらもまた第2次世界大戦直後の東京を舞台に、ゴジラと元特攻隊員らのたたかいを描いた作品となっていて、先ほどご紹介した「オッペンハイマー」「君たちはどう生きるか」といい、なんの偶然なんでしょうか。

受賞が発表されると、山崎監督らはガッツポーズをしながらステージに上がり、発表者の俳優アーノルド・シュワルツェネッガーらからオスカー像を受け取りました。

そして用意していた紙を見ながら英語でスピーチし、「ハリウッド以外で頑張っているアーティストの皆さん、ハリウッドは我々に耳を傾けてくれていた。この賞は、すべての人にチャンスがある証しだ」と熱い言葉を語りました。

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