玉木宏映画「極主夫道」評判!健闘するもアニメ映画に敗北?

おおのこうすけによる漫画『極主夫道』の映画版『極主夫道 ザ・シネマ』が6月3日から全国で公開が始まり、「大ヒット御礼舞台挨拶」が開催されるなどしているが、その評判に迫ってみよう。

漫画『極主夫道』は、過去にテレビドラマ化もされているギャグ漫画だ。今現在、日本の映画業界はアニメ作品・アニメとコラボした作品などに席巻されている節があるようで、『極主夫道』も健闘しているものの、トップ争いに食い込むことはできなかったようだ。

極主夫道は主夫になった元ヤクザのギャグ漫画

出典:公式サイト

『 極主夫道 』 (ごくしゅふどう)は、 おおのこうすけ による漫画 。「不死身の龍」と呼ばれた元・最凶ヤクザ の、 主夫業の日常を描いたハートウォーミングコメディだ。

2020年にも、主演に玉木宏を据えてテレビドラマ化されている。それがこのたび、映画化される運びとなった。玉木宏演じる主人公・龍は、働く妻・美久(川口春奈)と平和に暮らしている。

かつての舎弟・雅(志尊淳)や、稲森いずみ演じる「姉御」などが住む町で、彼らに振り回されながら、ご近所トラブルを解決したりと、「カタギ」の生活を送る。

そんな生活の中で、婦人会のメンバーに認められたりと、どんどん主夫としての腕を磨いていく。ママさんバレーに参加する一面を見せるほどだ。

MEGUMI、遠藤賢一、竹中直人などもレギュラーキャストだ。彼らに加え映画版では、お笑い芸人のくっきー!、松本まりか、吉田鋼太郎、安達祐実などもキャストとして加わった。

興行収入伸び悩み?健闘するもアニメ一強?

そんな同映画だが、意外にも興行収入の面では苦戦しているようだ。というのも今現在、日本の映画界ではアニメ関連作品が強すぎるという背景がある。

6月4日から5日までの土日の動員数などを集計した『国内映画ランキング』(興行通信社調べ)では、初登場6位という結果に。

5位には8週目にもかかわらず『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』がランクインし、4位は3週連続で上位に食い込んだ映画『五等分の花嫁』、他にも初登場3位の『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』、2位の『シン・ウルトラマン』と、アニメ好きの層向けの作品に敗北する形となった。

実際に映画を見た人たちからの評判は、決して悪くはない。「また見たい」「めっちゃ笑った」「会場でクスクス笑い声が聞こえた」「よく作り込まれた良い映画」といった、プラス評価のコメントが多いように見受けられる。アニメ関連の映画が強い中で、よく健闘したともいえる。

その一方で、「漫画とアニメは面白いけど、ドラマと映画は…」「原作のあのテンポを実写で表現するのは難しい」との声も聞こえてくる。独特な雰囲気とテンポの作品なだけに、漫画の根強い人気があることも感じさせられる。

苦戦する映画多し!日本独特の映画市場

アニメ映画の上映数が多い時期に被っていなければ、もっと良い数字を出したかもしれないだけに、なんとも後悔の残る結果とも言える。しかし当然ながら、アニメ関連の映画の影響を受けているのは、同映画だけではない。

「まいじつ」では、以下のように日本の映画市場の現状を紹介している。

5月20日から公開された俳優・吉岡里帆の主演映画『ハケンアニメ!』は、『国内映画ランキング』で公開初週からトップ10に入っていません。映画『五等分の花嫁』やヒドイ出来と言われている『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー』などにボロ負け。そのせいか、公開からわずか1カ月も経たないうちに上映終了する映画館も出ているようです。『ハケンアニメ!』に出演していた俳優の前野朋哉は、《『ハケンアニメ!』今週木曜で上映終了の映画館が多いみたいですね。正直、悔しいです。1ヶ月は公開して欲しかった。しかし、映画の興行はシビアなのです》とツイッターで悔しさを滲ませていました」(映画ライター)

まいじつ

今週の映画ランキングで1位を獲得したのは2週連続で『トップガン マーヴェリック』だったが、この作品もアニメ好きの層に相当すり寄った戦略を採用していたようだ。

「『トップガン マーヴェリック』の吹き替え版は超豪華な声優を起用し、また『ウマ娘 プリティーダービー』とのコラボ特典を配布することが決まっています。『トップガン マーヴェリック』は北米でトム・クルーズ作品史上1番のオープニング成績を収めるなど、そもそもの実力がある作品。声優や人気ゲームとコラボで集客を伸ばそうとしている状況は、正直薄ら寒いともいえます」(同ライター)

同上

実際に、もともと強い海外映画に対し、日本の人気声優やアニメとタイアップさせてさらなる興行収入を狙っているこの状態に対しては、「どうなのか」と日本国内からの批判の声も絶えない。

動画配信サービス『Netflix』のランキングでも、配信直後の話題作『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン4が世界中を席捲するなか、日本はアニメ『SPY×FAMILY』がランキング1位だった。日本で生まれる作品は、このまま独自の路線を辿ることになりそうだ。