麒麟は解散危機?田村裕が語る相方・川島への思いは嫉妬・くそったれ?

1999年にお笑いコンビ・麒麟を結成した、川島明と田村裕の2人。川島の放つ、低くもよく通る「麒麟です」という声が話題を呼び、人気お笑い芸人の仲間入りを果たした麒麟だったが、その人気を後押ししたのはなんといっても、2007年に発売された田村の自伝『ホームレス中学生』がベストセラーとなったことだろう。

中学生ながらに、父親に「(家族を)解散!」と言われたことなど、なかなか辛い内容ではあったが、それを面白おかしく語る田村の今の明るさも含め、大きな話題となったものだった。

しかし、今では相方の川島が「朝の顔」となるなど、田村としては複雑な思いを抱えている様子。果たして麒麟は解散危機を迎えているのだろうか?

人気が逆転?ホームレス中学生から今まで

1999年にお笑いコンビ・麒麟を結成した川島と田村。そして、お笑いコンビの人気も高まったところで、2007年に自伝『ホームレス中学生』がベストセラーとなった田村裕がコンビの人気をさらに後押ししたのは言うまでも無い。

当時は文庫に終わらず、同書を原作とした映画・ドラマ・漫画・絵本などメディアミックス化され、麒麟としても田村にフィーチャーした仕事が急増したものだった。

それが今となっては、人気が逆転したというか、川島をテレビでは見ない日がないほどとなっている。お笑い芸人としては異例の、朝の情報番組の司会進行を務めるなどの実績も残しており、実際に芸能界の中では、川島を「今日本で一番忙しい男」と評する声などもあるほどだ。

一方で、現在の田村は『探偵!ナイトスクープ』などに出演しながら、YouTubeでバスケ動画を発信しているという、あまり表舞台には立たない状況。ほとんどコンビ活動がなくなった今、そんな状況を受けて、「オリコンニュース」は田村にインタビューを敢行したようだ。

コンビ仲が悪化した過去

まずオリコンニュースは、コンビ結成のきっかけなどから尋ねた。それに対し田村は、「自分から(川島に)声をかけた」と説明。

「ほんと恥ずかしい話なのですが、NSC時代、なめられたくない世間知らずだったので、僕が『コンビ組んだろか?』と上から目線で声をかけたのがきっかけです。(中略)川島がネタをやっていたのを見て。当時からしっかりフリが効いて起承転結、オチまでがきれいで、『これはチャンスだ』と。マウントを取るような姿勢で声がけしました」

と赤裸々に話した。そのうえでまた、先輩たちが怖かったとも話し、「川島も超人見知りのところがあり、僕らは小動物そのものでした。コンビ名こそ「麒麟」ですが、心は「うさぎ」ですよ。まあ、今となって川島は『ラヴィット!』のMCですが(笑)」と小ボケを挟みながら説明した。

その一方で、2人がコンビとして人気が出始めた頃を回想すると、「あの時点ですでに川島は完成形に近かった」「川島は次々と爪痕を残してくれた」とした。

そんなところでコンビのバランスを変えたのが「ホームレス中学生」だった。「ホームレス中学生」が大ヒットすると、田村本人も「麒麟という立場で言うと、すべてが逆転してしまうぐらいいきなり僕にスポットライトが当たってしまっていた」と語るような状況に陥ることになる2人。

ネタも、それまでは川島が考えてやってきたところに、田村が口を出すようになったり、目立とうとしたりといった場面も増えてきた。「『M-1』のラストイヤーでも、僕がリードしてああしようこうしようと。ネタを考えたのは川島だったんですけど、結局結果が出なかった。そういう失敗を重ねて今があります」と振り返る。

「徐々にコンビ仲が悪化して、楽屋が別はもちろん、飛行機の席も隣だったらわざわざ別の席を予約し直したり」と、だいぶギスギスしている時期があったことも話した。

解散危機もあった!嫉妬99%?

「それでも解散することはなかったんですね」というインタビュアーの問いかけに、田村は、解散危機は2回はあったと答える。

「実はNSC時代に、2回危機があったんですよ。川島は本当に解散しようって言おうと決めてたらしいんですけど、僕がそれを察して、『多分俺じゃあかんよな。お前の才能を活かしきれへんかもしれんから、解散なら解散って言ってな』って電話したこともあって。でも川島としては、そう言われたら『そんなことないよ!』と励まさざるを得なくなったみたいで、結局解散を免れ、今に至っているという感じですね。」

と自虐を挟みながら説明。川島の解散したい気持ちを先回りして、解散と言い出されないように制御しているような過去があったのだと語った。

そして今では、川島がテレビ界に欠かせないオールラウンダーになっていることについて、嬉しいかと問われると、「いや、嫉妬99%ですね。『ラヴィット!』も「くそったれ」と思って見てますね(笑)」と答えたのだった。

はじめは『ラヴィット』も視聴率があまりよくなく、「ざまあみろ」という感情もあったようだが、その一方で、「川島はすごい人だった、俺はまちがっていなかった」と確信に至ったという。

今の川島の活躍に関しては、「嫉妬99%、応援1%」としつつも、「嫉妬はあるけど、いけるところまでいってほしい」とエールを送った。