X JAPANのYOSHIKIが受章した紺綬褒章とはどんなもの?

X JAPANのリーダー・YOSHIKI(ヨシキ)が紺綬褒章を受章したことが、3月9日の政府官報を通じて発表された。

この背景には、YOSHIKIが医療従事者や震災被災者らを継続的に支援してきたことがある。

本記事では、YOSHIKIの功績にくわえ、紺綬褒章とは何か、また他の褒章の種類などについても説明する。

YOSHIKIの継続的な支援活動

紺綬褒章(こんじゅほうしょう)は、国や地方公共団体、公益団体など、公益のために私財を寄付した人を国が顕彰するもので、受章の際は褒章が授与される。

受賞の「賞」の字と混同されやすいが、この場合には「章」の字が使われる。下が紺綬褒章の写真だ。綬(ベルト)の色が紺となっているため、紺綬褒章と呼ばれる。

出典:内閣府

YOSHIKIは昨年4月、自身の運営する米国非営利公益法人「Yoshiki Foundation America」を通じて国立国際医療研究センターに1000万円を寄付した。

日本国内のみならず、アメリカでの食糧難パニックの沈静化を支援するために、ロサンゼルスのMeal on Wheelsにも2万4000ドル(約250万円)。

また、公演中止の影響を受ける世界中のアーティストや音楽業界で働く人たちを支援するためにグラミー主催のレコーディングアカデミーおよびその関連慈善財団・MusiCaresが設立した「COVID-19救済基金」には、10万ドル(約1000万円)を寄付するなど、積極的な支援活動を行っている。

アジア太平洋地域の最も優れた慈善家にも選出

出典:音楽ナタリー

さらにYOSHIKIは昨年も、東日本大震災の復興支援として1000万円を寄付するなど、以前より地震災害、大型台風などの自然災害発生時に多額の義援金を送り、関連団体や被災者への支援を続けている。

震災から10年となる今年にもなんらかの動きがあるかもしれない。

それらの積極的な慈善活動と影響力が評価され、2019年には「Forbes Asia」が発表した「アジア太平洋地域の最も優れた慈善家30人」に選ばれた経歴もある。

紺綬褒章の受章に際してYOSHIKIは、

「このような栄誉ある紺綬褒章を受章し、恐縮しております。こんな自分ですが、 今後もこのような支援活動を続けられたらと思っています。そしてその活動によってさらにチャリティーの輪が広がれば嬉しいです。ありがとうございます」

とコメントしている。

ほかの褒章は?

 褒章のデザインは、「褒章」の二字を桜の花で飾った円形のメダルで、綬の色(紅、緑、黄、紫、藍、紺)により区分される。

始まりは明治時代にさかのぼる。明治14年には3種類だったものが、その後も追加され、今の6種類となった。

自己の危難を顧みず人命の救助に尽力した人が受章する「紅綬褒章」、ボランティア活動に従事し、顕著な実績を挙げた人が受章する「緑綬褒章」などがある。

その中でも、よくニュースなどで名前を聞く機会があるものといえば、「紫綬褒章」(しじゅほうしょう)だろう。

名前の通りに紫のベルトが施された紫綬褒章は、科学技術分野における発明・発見や、学術及びスポーツ・芸術文化分野における優れた業績を挙げた場合に贈られるものだ。

NHK大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺〜」の題材となった、マラソンの金栗四三も過去に受章している。

スポーツ界におけるここ数年の受章者では、平昌オリンピックで活躍したスピードスケートの小平奈緒やチームパシュートの選手の面々などがいる。

フィギュアスケートの羽生結弦は、2014年と2018年の2回にわたって受章している。

歌手や俳優の受章者も多く、西田敏行、桃井かおり、樹木希林、大竹しのぶなどが受章した過去がある。直近では、2020年に中井貴一が受章している。

今回YOSHIKIが受章した「紺綬褒章」はYOSHIKIの支援活動によるものだが、今後、音楽面の功績で紫綬褒章を受章する可能性も。今後も活躍が期待される。