宇多田ヒカルのジェンダー「ノンバイナリー」とは、いわゆるゲイやレズビアン、バイセクシュアル、あるいはトランスジェンダーとは違いがある。「ノンバイナリー」とは、性自認を男性・女性といった二元論に当てはめないこと。また当てはめたくない人のことを指すものだ。
男性でも女性でも無い状態、または部分的に混ざった状態であったり、流動的であったりするといわれている。宇多田ヒカルの女性的な部分としては男性との恋愛・結婚や子供をつくることに難はないが、自身のどこかで男性的な部分、あるいは自分をどちらとも当てはめることができないという認識があるということだろう。
あるいは時の流れや何かのきっかけで突然そういった意識が芽生えることも珍しくないため、過去に結婚していた際にはなんとも思っていなかったが、あるとき何らかのきっかけでそのように感じ始めたという可能性もある。
なんにせよ、宇多田ヒカルのような超がつくほどの有名人がカミングアウトをしたことは、LGBTQとして生きている人々には勇気を与えたようで、ネット上でも大きな話題となっている。
小池都知事も同性パートナーシップ制度検討
今月上旬、小池百合子都知事が同性パートナーシップ制度の導入を検討していくことを明らかにしたことでも注目を集めている。同性パートナーシップ制度は法的な効力を持たないが、自治体が同性カップルを「婚姻相当」の関係として公的に認めることで、一部の保障を受けることができるという。
東京都におけるパートナーシップ制度をめぐっては、3月に当事者らの団体が導入を求めて小池都知事に要望書と1万8000筆の署名を提出していた。小池都知事は、「制度を導入することで、性的マイノリティ当事者の人権の尊重が図られ、多様な性に関する都民の理解も進むという効果が期待ができる」とも説明した。
同性婚がすでに認められている諸外国においても、まだまだLGBTQにまつわるイベントや抗議活動などが行われていることからも、同性パートナーシップ制度がすべてを解決するわけではないことは火を見るより明らかだ。それでも、これが大きな一歩になるのではないかと期待されている。