元SMAPのメンバーで俳優の木村拓哉と、歌手の工藤静香の次女でありモデルのKōki,(コーキ)をキャンペーンビジュアルに起用していたブランド「ヴァレンティノ(VALENTINO)」のビジュアル動画に、批判が集まっている。
批判の声を受けてか、ヴァレンティノは同日夜にインスタグラムから問題の動画を削除しており、現在では見られなくなっている。
また、Kōki,がかねてより務めていたシャネルのアンバサダーとしての契約が終了した件について、契約満了なのか、あるいはクビなのかといったことにも注目が集まっている。
「日本文化への冒涜」と批判
ヴァレンティノの2021年春夏コレクションのキャンペーンビジュアルに起用されていたKōki,だが、今回問題となっているのは、公式サイトやSNSなどで発表されていたビジュアル動画。
その中では、空き地のような場所に着物の帯が一本道のように敷かれており、その上をKōki,がヒールで歩いたりポージングをしたりしている様子が収められていた。
広告は純日本風なBGMが流れており、日本古来の美を演出した構成となっていた。それだけに、日本文化の一部である着物の帯を踏みつけるようなシーンがあることに、違和感を覚えた人が多かったようだ。
また、当該動画と同時に公開されていた画像では、帯を踏みつけているシーンのほか、岩の上に同じように帯を敷き、その上にKōki,が座っているというショットも見受けられた。
これらの動画や画像について、29日頃からネット上で批判の声が殺到する事態に。主な内容としては、
「日本文化の冒涜」「帯は敷物じゃないし踏みつけにしていいものじゃない」「見ていて気分が悪くなった」「ドレスを踏みつけられたらどう思うのか」
などといった批判の声が殺到する事態となった。
動画は削除!非難はKoki,にも飛び火
批判の声を受けてか、ヴァレンティノは同日夜にインスタグラムから問題の動画を削除。その後、ユーチューブ上に上がっていた同動画も非公開にし、さらに公式サイト上からも動画を削除して対応した。
しかし、SNS上では動画が広まり、日本人ユーザーを中心にいまだ批判の声は増え続けている。
今回、モデルを務めたKōki,に非はなく、あくまでヴァレンティノ側の外国人演出家による演出の問題とはされている。しかし、Kōki,の両親が木村拓哉と工藤静香ということもあり、「それくらい常識で知っているべき」といった風当たりの強いコメントも見受けられる。
Kōki,は弱冠17歳、しかも演出家の指示に従っただけにもかかわらず、父親である木村拓哉が以前『日本和装』のCMに出演していることや、「武士の一分(いちぶん)」といった映画に出演していることもあり、その娘であるKōki,も着物や和の心に精通していることを世間から自然を求められてしまっている印象だ。
ヴァレンティノの公式ツイッターに残されていた、岩に敷かれた帯の上に座る写真に対しては、ツイッターユーザーから「アイデアに乗ってほしくなかった」「モデルさんは心が痛まなかったのか…」といったKōki,への呆れ声も寄せられてしまっていた。
公式アカウントからは削除されたこれらの動画・画像だが、保存していた一般ユーザーによって拡散され、現在も非難の声が集まっている。
なお、Kōki,のInstagramアカウント等では、当該動画・画像ではないが、ヴァレンティノにまつわる投稿は残されている。広告の仕方、動画や写真の構成さえ間違えなければ、ヴァレンティノのファッションと日本古来の文化が融合した魅力的なものとなっていたことがうかがえるコンセプトなだけに、残念な結果となってしまった。
ヴァレンティノは問題の広告動画・画像を削除しただけで、今回の炎上騒動に関しては言及していないため、このまま事態が沈静化しないようであれば、いずれ説明も求められることだろう。
シャネルのアンバサダー降板はクビ?うれしいニュースも
Kōki,といえば、「シャネル」の日本人初となるビューティーアンバサダーを昨年のうちに降板していたことを、先日週刊誌によって報じられた。
2018年5月に雑誌「ELLE japon」の表紙を飾りモデルデビューを果たしたKōki,は、同年夏には「ブルガリ」のアンバサダーに史上最年少で抜擢された。これは同時に、日本人史上初という快挙でもあった。
また同年9月には、「シャネル」の日本人初となるビューティーアンバサダーに抜擢された。そして翌年パリで開催された「シャネル」のコレクションでランウェイデビューを果たしたのだった。
そのように出世階段を駆け上ってきた彼女だが、週刊誌の報道によれば昨年のうちに「シャネル」のアンバサダーを降板していたという。
両親ともに芸能人であるため、また新人モデルであるにも関わらず大役を務めてきたゆえ、以前から「ゴリ押し」という批判も少なくなかったKōki,。
今回のアンバサダー降板にあたっても、「実力が伴っていなかったから」「母である工藤静香のプロデュース能力の問題」「批判が多すぎた」など、「クビ」の理由を推測する声も多く挙がった。
「シャネル」はアンバサダーとの契約内容などを公表していないため実際のところはわからないが、単に契約期間が満了しただけだと関係者は語っているという。
「シャネル」のアンバサダーは終了となったが一方で、今月中旬には、「エスティ ローダー」の最新グローバルスポークスモデルとして契約したという、うれしいニュースも発表された。
1946年の創業以来、初めての日本人グローバルスポークスモデルとなる。今後はデジタル、店頭、印刷物とさまざまなキャンペーンで起用されるということだ。
「親の七光り」「ゴリ推し」といった批判も少なくないが、新たに勝ち取ったこのチャンスをものにして、実力で世間をあっと言わせてほしい。