ラジオ「オールナイトニッポン」での発言内容を巡り、女性差別的な持論が騒動となっていたナインティナインの岡村隆史。
別日のラジオ放送で謝罪をし、相方・矢部浩之の「公開説教」も話題となったが、それでも世間の声は収まる様子を見せていない。
そんな中、岡村のレギュラー番組である、『チコちゃんに叱られる』での岡村の降板を求める1万件超の署名を受け、NHKがコメントを出した。
問題となった発言全文とは
岡村がラジオで発言したことにより問題となったのは、コロナ禍と風俗業の関係性。
彼による「風俗」発言はオールナイトニッポンでは定番でもあり、熱心なリスナーにとっては聞き慣れたものであったかもしれない。
しかし今回の内容はコロナ拡大による貧困問題と関わっていたこともあり、深刻な騒ぎとなってしまった。
リスナーから寄せられた「コロナの影響で、今後しばらくは風俗に行けない?」というメールを受け、岡村は次のように語った。
「コロナが収束したら、もう絶対面白いことあるんです。収束したら、なかなかのかわいい人が短期間ですけれども、お嬢やります」
「短期間でお金を稼がないと苦しいですから。3カ月の間、集中的にかわいい子がそういうところで、パッと働いてパッとやめます」
「『え? こんな子入ってた?』っていう子たちが絶対入ってきますから。だから今、我慢しましょう。我慢して、風俗に行くお金を貯めておき、仕事ない人も切り詰めて切り詰めて、その3カ月のためにがんばって、今、歯を食いしばって踏ん張りましょう」
[adsense]この発言を受け、ネット上では強い批判の声が高まった。「追い詰められた人たちが風俗の仕事を選ぶのが面白いこと?」「貧困者の人権も女性の尊厳も侵害している」と、非難の対象となった。
ネットでの反応を受け、「オールナイトニッポン」の放送局であるニッポン放送は謝罪文を発表。
岡村本人も自身のラジオで謝罪・弁明をした。そこに相方の矢部が割り込んで岡村に「公開説教」したことも、「コンビ愛」と話題に。
今回の騒動には、名だたる有名人たちもそれぞれの持論を展開。高須クリニックの高須院長や、岡村と親交の深い鈴木紗理奈、歌手のMINMIなどが岡村を擁護した。
モテ男・岡村の悩み
「公開説教」で相方の矢部は、「岡村は女性への配慮が足りない、女性経験も少ないし結婚したこともないから」といった主旨の発言。
ここだけ切り取ればあたかも岡村が「非モテ」のように聞こえるが、実際にはモテモテの存在。言い寄ってくる女性芸能人もいれば、また特に昔はアイドル的人気を誇っていた。
モテるがゆえに、自分に近づいてくる数多の女性たちを「信じられない」がゆえに関係を築けず、それが現在の女性軽視に繋がっているというのはなんとも皮肉な話だ。
[adsense]また「アイドル的存在」脱却のためにも人の悪口やダークな話、下ネタを努めて口にしてきた岡村。気づけばリスナーも男性がメインになっていたという。
そんな男性ファンに囲まれた閉鎖的なラジオ番組という空間の中で、「下ネタなら何を言っても笑いになる」雰囲気があったことも事実だろう。
テレビに比べても「いい逃げ」しやすく、炎上しやすい土壌がもともとあったとも言えるラジオ空間。
岡村が女性軽視の態度を改めなければならないのは事実かも知れないが、ここまでの大炎上は不運の一言に尽きる。
NHK「重く受け止める」
「ボーッと生きてんじゃねーよ!」でおなじみの『チコちゃんに叱られる』は、5歳の女の子「チコちゃん」から出題された素朴な疑問に、ゲストが答える雑学クイズバラエティー番組。
日テレ独り勝ち」の状態が長く続いているといわれるバラエティ業界で奮闘を続ける同番組は、ゴールデンタイムでもまずまずの視聴率をキープしているうえに、土曜朝8時台の再放送の人気も非常に高い。
チコちゃんは年齢に似合わず大人にも生意気な口を利き、番組全体が民放っぽい軽いノリで作られている。NHKの「脱まじめ」が成功したいい例だ。
そんな人気番組『チコちゃんに叱られる』と、岡村の存在は切っても切り離せない。
看板番組『めちゃ×2イケてるッ!』の放送終了以降、しばらく低調にみえた彼が、再び息を吹き返したのがNHKの『チコちゃんに叱られる!』だった。
子どもにも多大な影響を与えている人気番組であることも、今回の発言が“悪影響”だとして岡村降板を望む声の増加に繋がった。
騒動後の放送回では謝罪のテロップも流されたが、このたび1万件の署名を受けNHKが改めてコメント。
「他社の番組での発言について、NHKがコメントする立場にはないが、すでに、所属事務所に対して遺憾の意を伝え、本人も、発言は配慮に欠けるもので、多くの方に不快な思いをさせてしまったと反省していると、うかがっている」
「(署名は)視聴者の皆さまの声として重く受け止めている。視聴者の声を真摯(しんし)に受け止め、これからも楽しんでいただける番組を届けたい」
と締めくくり、岡村の進退については明言を控えた。
一方で番組ファンからは、「岡村抜きのチコちゃんは考えられない」という声も噴出している。
岡村の降板に留まらず、番組自体の打ち切りという可能性もなくはないのが事実だ。NHKの動きに注目が集まる。