3日にヤクルト・今浪隆博内野手(33)が東京都内のヤクルトスワローズ球団事務所で病気が理由で現役引退を表明し話題となっている。
引退を表明したヤクルト・今浪内野手は、昨年に甲状腺の病気を発症したと発表し、その病名は「橋本病」であることがわかった。ヤクルト・今浪内野手は、
「医師が診ると正常だけど、僕自身、正常じゃない感じが明らかにあった。(病名は)甲状腺機能低下症、橋本病。今の体ではプロで戦えない」
と、現役引退についてコメントしている。
医師が見ると正常?橋本病とは?
橋本病とは、慢性甲状腺炎(まんせいこうじょうせんえん)とも呼ばれており、甲状腺における自己免疫疾患の一種。自己免疫疾患として認識された最初の病気。
慢性甲状腺炎(橋本病)は、北アメリカおよび日本における原発性甲状腺機能低下症の原因のなかでもっとも頻度が高いものと考えられている。
女性に多く発症しているといわれており(男性の10倍から20倍)、45歳から65歳の年齢層が橋本病を発症する確率が高いようだ。
橋本病の原因とは?
橋本病は他の自己免疫性疾患と同様に遺伝因子と環境因子の関係で発症すると考えられており、家族歴が認められることもあるようだ。
ターナー症候群やダウン症候群、およびクラインフェルター症候群などの染色体異常の患者には橋本病の有病率が高くなると言われている。
慢性的なヨウ素の過剰摂取は甲状腺機能低下症や甲状腺腫を誘発しやすいというが、橋本病の患者にはさらに影響を受けやすいことが知られている。
治療には肥大が軽度で甲状腺機能低下のない症例では、特別な治療は行わず年に1回程度の診察で経過を観察する。
慢性甲状腺炎患者においては甲状腺機能は変動しやすいため、定期的な経過観察が勧められている。
橋本病を発症した時の症状は?
橋本病を発症すると、慢性甲状腺炎により甲状腺機能低下が起こる。それによって体重増加、うつ状態、全身の疲れ、脈拍数の低下、高コレステロール血症、便秘、記憶力の低下、不妊、毛髪の脱落などの症状が現れるという。
明らかな甲状腺機能異常を伴わない症例や、潜在的甲状腺機能低下症の段階にとどまる症例の方が多く、
「医師が診ると正常だけど、僕自身、正常じゃない感じ」
という引退を表明したヤクルト・今浪内野手のコメントはそのためだと思われる。
引退を表明したヤクルト・今浪内野手
今浪隆博(イマナミタカヒロ)は1984年7月6日生まれ福岡県出身。身長172cm・体重75kg・右投げ左打ち・内野手として活躍。
橋本病を発症し今シーズン限りで現役引退を発表したヤクルト・今浪内野手は、平安高から明大を経て2007年、大学・社会人ドラフト7巡目で日本ハムに入る。
2014年にトレードでヤクルトスワローズへ移籍。通算405試合で打率・261。3本塁打。69打点という成績を残している。引退発表に、
「区切りがついてスッキリしています。プロ野球はなかなか経験できない。本当に幸せ」
と、11年間のプロ野球現役生活を振り返り「本当に幸せ」とコメントしている。
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