ロックバンド・エレファントカシマシのボーカル&ギターで、シンガーソングライターとしても活躍する宮本浩次(ひろじ)。
「エレカシ」ことエレファントカシマシのフロントマンとして30年以上バンド活動を続けてきた宮本だが、今年3月にはソロ活動もスタートさせた。
このたび、そんな彼が個人名義で出した自身初のカバー・アルバム『ROMANCE』が大きな反響を巻き起こしている。
宮本が愛した、おんな唄
11月8日にリリースされた『ROMANCE』は、全楽曲が女性歌手の作品であることが特徴となっている。
ちあきなおみ「喝采」(1972年)や中島みゆき「化粧」(1978年)、久保田早紀「異邦人」(1979年)、松田聖子「赤いスイートピー」(1982年)といった70〜80年代の歌謡曲に加えて、宇多田ヒカル「First Love」(1999年)までを取り上げたカバー集だ。
収録曲の一覧は以下となっている。
- あなた
- 異邦人
- 二人でお酒を
- 化粧
- ロマンス
- 赤いスイートピー
- 木綿のハンカチーフ-ROMANCE mix-
- 喝采
- ジョニィへの伝言
- 白いパラソル
- 恋人がサンタクロース
- First Love
また初回限定盤には、ボーナスCDも付属。「宮本浩次弾き語りデモ at 作業場」と題されたこちらの盤には、
- September
- 思秋期
- 私は泣いています
- あばよ
- 二人でお酒を
- 翼をください
の6曲が収録されている。
アルバムには“宮本が愛した、おんな唄”というキャッチコピーが付されており、同アルバムの特設ウェブサイトでも「30年を超えるキャリアにしての初挑戦であり、金字塔である」と評されている。
オリコンでもビルボードでも首位に
11月24日発表の「オリコン週間アルバムランキング」では初登場にして首位を獲得した同作品。
さらにリリース2週目となる12月7日付(集計期間:2020年11月23日〜11月29日)のBillboard JAPANダウンロード・アルバム・チャートでもトップの座を射止めており、今後もますます注目を集めていきそうだ。
宮本といえば、エレファントカシマシにおける無骨な姿がパブリックイメージとして定着していることであろう。
無精髭を生やしたボサッとした髪型で「さあ、がんばろうぜ!」と力強くリスナーに語りかける音楽というイメージである。
時には奇声を上げ、奇怪な動きをし、スーツを脱ぎ捨て、シャツを裂き、バンドメンバーに絡み、暴れ割る宮本。
だが今回のアルバム『ROMANCE』では、女性歌手の作品たちを丁寧に歌い上げ、これまでの宮本のパブリックイメージとは一風変わった印象を放っている。
加藤浩次や華丸大吉も涙!
宮本といえば、芸能界でもファンが多い印象だ。たとえば極楽とんぼの加藤浩次は、宮本のファンをかねてより公言している。
過去にはテレビCMでエレファントカシマシの「俺たちの明日」を歌う姿を見せていた加藤浩次。番組で宮本の生歌を聴いた際の感動している様子が話題になっていたこともあった。
そんな加藤は今回も、宮本の生歌を聴く機会に恵まれた。朝の情報番組「スッキリ」に生出演した宮本は、アルバム収録曲のうち小坂明子の「あなた」、宇多田ヒカルの「First Love」の2曲を順に披露した。
まず「あなた」を加藤らに見守られながら、スタジオの中央部で力強く熱唱。宮本が歌い終えると加藤は、
「なんだろう宮本さんの歌ってぐっと来ちゃうんですよね」「心臓をつかまれる感じというか」「カバーしても宮本さんの曲になっている」
と言葉を探りながら、感動の気持ちを伝えた。加藤のコメントを受け宮本は謙虚に、「本当に素晴らしい歌で大好きで、自分の母親とかも好きで」と曲自身が持つ魅力もあると解説した。
続いて「First Love」をギターの弾き語りで披露。歌唱後、スタッフからの提案でこの曲のカバーに挑戦することになったと経緯を説明し、宮本は「難しい歌で」「一生懸命練習して」と苦労話も明かした。
また別日には、朝の情報番組『あさイチ』(NHK)にゲスト出演した際、アルバム収録曲のうち「ロマンス」をはじめとした3曲を披露。
それを聴いた番組MCでお笑い芸人の博多大吉は目を潤ませながら「気を抜くと泣きそうになる」と感動した様子を見せていた。
彼女は?実は結婚している?
宮本といえば独身として知られているが、必ず話題に上がるのは、「実は結婚して子どももいるのでは?」という噂だ。
この噂はかなりの長きにわたって囁かれているが、未だに結婚相手の名前の候補も出てこないことから考えれば、ただの噂と考えるのが自然だろう。
過去には当時女優で売れっ子だった江角マキコとの交際も報じられたが、1年ほどで交際期間は終了したと言われている。
江角マキコ以降には熱愛報道等もなく、現在彼女がいるという話もない。
30代前半、当時結婚を考えていた彼女に全財産を取られてしまい、車やマンションも売られてしまったという事件もファンの間ではよく知られている。
結局警察が介入することもなく、宮本はお金を取り返すこともあきらめたというが、これをきっかけに女性不信になってしまったのでは?とも言われている。
過去には振られたショックで年間3本ほどしかライブができなくなってしまったという年もあり、あまり恋愛上手というわけではなさそうだ。
10年以上前の話ではあるが、37歳の頃にドキュメンタリーの中で結婚観について、
「でも無理なんですよ、音楽1個でも充実した時間を過ごせれば、それがしあわせなんじゃないか、って」
「余裕がある暮らしをしたら、余裕のある楽しい暮らしになってしまうんですよね、だから(音楽か結婚か)どっちかっていうことなんですよね。」
と、音楽第一であることを明かしてもいた。また雑誌の中でも以下のように語っていたこともあった。
「長く一緒にいるってことになればなるほどすべてをかけるっていうかね。これはもう、音楽辞めなきゃならないくらいなんじゃないですか、極端な話。」
そういうことから、もし結婚するようなことがあれば、音楽はやめてしまう可能性も。ファンからすれば、このまま恋愛も結婚もせず、音楽を続けてほしいといったところだろうか。