作詞家・音楽プロデューサーの秋元康が企画・原案を担当し、俳優の濱田岳が主演を務める不倫ラブコメ「じゃない方の彼女」(テレビ東京系)で、山下美月(乃木坂46)が“天然魔性系”の女性に扮し、小西真奈美やYOUも出演することがわかった。
本作は不倫がテーマで、ドロドロと展開していくかと思いきや、コメディ要素がたっぷりだという。今回の記事では、その内容や見どころに迫っていく。
秋元康原案の不倫ラブコメ
テレビ東京では、昨年芸能界の共演NG事情に迫り話題となった連続ドラマ『共演NG』を手がけた秋元康が企画・原案を務めるオリジナルドラマ『じゃない方の彼女』を今年10月11日より放送スタートさせる。
お笑いコンビの「目立たない方」、みんなが選ぶのとは違う方、クラスの目立たないわきの方、モテない方といったふうに、実は世の中の多くの人が、何かのものさしでは「じゃない方」にカテゴライズされる。「じゃない方芸人」といった言葉も生まれたほどだ。
そういった事実に焦点を当て、どこにでもいる目立たない普通の人生を送ってきた真面目な男性が、ある日突然、妻”じゃない”女性から愛されたらどうなるか?というストーリーを描く。
演出は現在放送中の「来世ではちゃんとします2」、ドラマ「東京ラブストーリー」、映画「植物図鑑 運命の恋、ひろいました」など数多くの話題作を手掛けるヒットメーカー・三木康一郎が手掛ける。
冒頭でもご紹介したように、この主人公の男性を演じるのは俳優の濱田岳。濱田演じる大学の准教授・小谷雅也が、教え子の女子大生に翻弄されていく。
今まで人生のスポットライトを浴びたことがなかった地味で真面目な男。愛する妻と娘に囲まれて、大学の准教授として真面目に暮らしてきた男に訪れた人生の転機。偶然出会ってしまった"運命の相手"はまさかの教え子だった…。
「不倫はダメだ」と頭ではわかっていながらも、天然魔性な女子大生に翻弄され、運命に抗おうとする姿は必見だ。これまで誠実な役柄が多いだけに、初の浮気男を演じる濱田の新境地は見逃せない。
浮気相手の女子大生に山下美月!妻は小西真奈美
乃木坂46・山下美月が演じるのは、濱田岳ふんする主人公の雅也が偶然出会った「天然魔性系」女子大生の怜子。心理学部に在学しており、人の懐に入り込むコミュニケーション能力を身につけ、ナチュラルに相手を虜にしてしまう才能をもちあわせる。
「偶然が3回、続くと、奇跡が起きるらしいですよ。」そう言い距離を縮めてくる怜子に雅也は距離を置こうとするが、天然魔性な怜子の言動につい心惹かれてしまい、道ならぬ恋の沼にどんどん落ちていく…。
小西真奈美は、真面目な雅也を明るく支える美人妻・麗を演じる。また、YOUは雅也の母親である自由奔放な恋愛小説家・弘子に扮する。
さらに、雅也の同僚である大学講師・片桐修一役で山崎樹範、怜子の中学からの幼なじみ・橋本彩菜役で東野絢香、彩菜の恋人・後川誠役で豊田裕大、雅也と麗の娘・沙織役で宝辺花帆美も出演することが発表されている。
山下は、今年4月期の川口春奈主演ドラマ『着飾る恋には理由があって』にも出演。アイドルながらに演技力が高いと評判だ。今回の役に抜擢されたことに関して、以下のようにコメントした。
「怜子は10歳以上年の離れた雅也をドキドキさせてしまうほど、魅力に溢れた女の子です。大学生とは思えない大人っぽさ、若さゆえのキラキラ感、どちらも兼ね備えつつ本心が分からないような掴みどころの無い感じもあります。そんな怜子に翻弄される真面目な雅也の姿がとても面白いので、是非見ていただきたいです」
恋愛禁止のトップアイドルグループに所属していながら、ドラマでは男性を翻弄する女子大生の役というのは若干現実と乖離しており、ファンの嘆く声も聞こえてきそうな気がしないでもないが、本人は「ドキドキハラハラする展開もありつつ、怜子に翻弄される雅也の姿を楽しんでいただけるよう、精一杯惑わせる女性を演じたいと思いました」と意欲を見せる。
また、主人公の妻役を演じる小西真奈美も、「不倫という一見ドロドロとしそうなものが、コメディ要素が満載で面白い」と太鼓判を押している。
企画・原案 秋元康コメント
企画の秋元康は、今回のドラマへの着想の経緯を以下のように語る。
「何年か前に、ある漫才コンビについて話していたスタッフが、『じゃない方!』『じゃない方!』と叫んでいるのを見て驚いたことがあります。(中略)『面白くない方』という意味なのか、『顔が知られている方』『顔が知られていない方』という意味なのか、残酷な言い方だなぁと思っていたら、当の本人たちは、むしろ、愛おしさを込めて呼んでいることに気づきました」
「じゃない方芸人」といった一見非人道的な呼称が始まったのは、実はここ数年のことではない。2004年時点ですでに、お笑いコンビのTIMに対して、レッド吉田を呼ぶ際に「(ゴルゴ松本)じゃない方」といった呼称が使われていたようだ。
それでも、「じゃない方~」といった呼び方がここまで定着したのは、バラエティ番組「アメトーーク」や、「水曜日のダウンタウン」などの功績が大きく、この呼び方が市民権を得たのはやはりここ数年のことと言ってよいだろう。
そんな言葉遊びの延長線上でドラマを企画したという秋元康氏は、「とある男性の前に、2人の素敵な女性が現れたら、どちらが『である方』であり、どちらが『じゃない方』になるのか? それが、また、厄介なことに、時間差で現れたとしたら? もっと、面倒くさいことに、結婚してから現れたら? 奥さん? 彼女? どっちが『じゃない方』?」と、率直な疑問を投げかけた。
実際に浮気をしている中でも、「浮気は浮気、家庭が一番」と線引きしている人もいれば、もはやどちらが大事なのか、どちらが自分にとっての「じゃない方」なのかがわからなくなっている人もいるのが実情であろう。
不倫が褒められたものではないのは昔も今も同じだが、それを差し置いても、今や不倫が社会的な命取りともなる時代となっているのは間違いない。そんな中で、批判を受けてもおかしくないテーマであるが、監督や演者らがどのように作品を作り上げるのか注目だ。