劇場版「名探偵コナン ハロウィンの花嫁」の投票企画をめぐり、公式Twitterアカウントが謝罪し、企画の変更を発表した。この企画をめぐっては、SNSで批判的な声が上がっていた。今回の件に対しては、ファンからは批判の声もあがった一方で、擁護の声も多く集まっているようだ。
長寿マンガ・アニメであり、熱狂的なファンも多い「名探偵コナン」。それだけに、これまでにも何度か「炎上」に近い騒ぎになったことがあるようだ。
今回の記事では、今現在劇場版「名探偵コナン」による企画が非難されている背景や理由に加え、これまでにあった炎上劇についても触れていく。
コナン炎上なぜ?古いジェンダー観を問題視か
#劇場版コナン #ハロウィンの花嫁
— 劇場版名探偵コナン【公式】 (@conan_movie) March 16, 2022
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今回炎上の発端となったのは、今年4月15日に公開される予定である映画「名探偵コナン ハロウィンの花嫁」を記念して、ムビチケ(プレイリスト)前売り券購入者を対象として開催されることとなっていた投票企画だった。
この投票企画は、作中に登場する38名の女性キャラから”理想の花嫁”を投票によって決めるというものであり、これは今月23日から開催予定となっていたのだが、クレームが殺到したことで企画名と内容の変更が決定されている。
今回の公式による企画が炎上した大きな理由は、”理想の花嫁に投票する”というコンセプトにあったようだ。ファン一人一人が、理想とする女性キャラに投票するというこの企画だが、これが色々な人の中では引っかかる部分があったようだ。
投票企画の概要が発表されたことを受け、SNSでは「理想の花嫁っていう設定が時代にそぐわない」「ジェンダー感がいつまでも昭和」など、一部で批判の声が出ることに。
一見ほほえましい企画のようにも聞こえるが、「結婚することこそ女の幸せ」あるいは「女は結婚してこそ一人前」「亭主を支え、家を守るのが理想の嫁」といった昔ながらの価値観を押しつけられているように感じた人もいたのかもしれない。
あまり多く声は上がっていないものの、LGBTQの観点から、「花嫁になれるのは(男と結婚できるのは)女だけなのか?」「女が女と結婚したらいけないのか?」と感じた人もきっといたことだろう。
批判の声を受け、公式アカウントは謝罪。「ファンの皆様にご不快な思いをおかけして申し訳ございませんでした」「皆様からのご意見を受け、企画名と内容について運営側で再協議し、適切な内容に変更致します」とした。
擁護の声・呆れの声も
企画が発表され、批判を受けて謝罪のうえ、企画が中止になったということで、丸く収まったわけだが、この一件に対してはコナン側に同情・擁護の声も集まっている。ネットニュースのコメント欄などを見ると、
「よくあるランキングなのに」「しょうもない」「揚げ足取り」「こんなことでまで謝罪をしなければならないのか」「いろんなことを思う人がいていい」「文化の衰退」「ほとんどの人はなんとも思っていない。いちいち少数派の意見を受け入れてたらクレーマーみたいな奴の思う壺」
といった意見が散見され、また「企画を思いついた人は落ち込まないでほしい」「クリエイターや広告関係者にとっては生きづらい時代」などのように、同情の声も多く見受けられた。
今回の件で、唯一どの観点から見ても批判されて然るべきだったことといえば、「理想の花嫁」候補の中に小学生も含まれていたことだろうか。「好きな女性キャラランキング」あたりにしておけば、話は違ったのだろうが。
これまでの炎上はどんなものだった?
人気アニメだということもあり、やはり注目度が高いだけに、これまでも「名探偵コナン」シリーズには意外にも批判の声が集まったり、ちょっとした炎上に発展したことがあったようだ。それらの中にはどのようなものがあったのだろうか?
まずは過去には、「公式Twitterがうるさい」と批判を集めたことがあった。基本的には情報を発信しているTwitterアカウントなのだが、映画がテレビで放送された際に、「オッチャーーーーーーーン!」「ランチャーーーーーーン!」「赤井さん、、」「らぁあああぁぁぁぁん!!!」などのように、登場人物を呼びかけるようなツイートや、展開に対しての細かいコメントなどが数分ごとにつぶやかれ、その内容は公式というよりはまるで1人の熱心なファンのようであった。
これに対して「公式ということがわかっているのか」「みんなが楽しめるアカウントでない」「改善してほしい」「コナンの情報を見たくてフォローしてんだが金ロー(※金曜ロードショー)とかの時のノリが苦手」「コナン映画の公式嫌いだからブロックしてる」「情報求めてフォローしてるのに、金ローのたびに毎回気持ち悪いのなんとかならんか」という声が毎回のように出てしまうようだ。
また、映画「緋色の弾丸」に関しては、「推理が雑、推敲されていない」「伏線が回収されていない」といった、推理ものの醍醐味である部分への不満や、「原作を大事にしてほしい。原作だったら絶対にやらないようなことをキャラクターがしている。性格が変わってしまっている」という意見もあったようだ。
すべての意見に耳を通すのは難しいにしても、同じ意見があまりに多く集まるようであれば、改善の余地もあることだろう。今後どのようにハンドリングしていくのか、公式サイドの手腕が試される。