人気漫画『進撃の巨人』が、4月9日発売の『別冊少年マガジン』(講談社)5月号で完結することが、講談社より発表された。
2009年9月の連載スタートから、約11年半の歴史に幕を下ろすこととなった。1月8日に最新33巻が発売され、6月9日に最終巻となる第34巻が発売される。
同作がクライマックスに入っていることはすでに告知されており、ネットでも最終話の結末や、これまでの伏線を回収しきるのかなどが話題になっている。
編集部に完結を急かされた晩年
あと4話で完結するということがわかり、さっそくTwitterでも「#進撃完結」がトレンド入りしている。
完結を前にし、作者である諫山創(いさやま・はじめ)氏からのコメントが公開された。
「あと3年で終わると8年前から言ってましたが、ようやく終えることができそうです。大変長くなってしまいましたが、最後までお付き合いいただけましたら幸いです」
とし、また、連載11年半という長期連載についても言及。
「決して編集部に引き伸ばされたわけでもなく、むしろ『いつ終わるのか』と急かされ続けての晩年でした。すいません、ようやく終わります」
と、長期連載にありがちな、編集部による“引き伸ばし説”を否定した。
「今まで読んできてよかったと思っていただけるように、最終回に向けて頑張ります」
と最後にファンに呼びかけた。「進撃の巨人」は、作者である諫山氏のデビュー作でもある。
故・三浦春馬さん主演で映画化も
同作は、人を捕食する「巨人」が全てを支配する世界を舞台に、巨大な「城壁」を築きその中で怯えて暮らす人類が、「巨人」相手に絶望的な戦いを強いられる物語。
巨人たちと闘う「調査兵団」に所属し、外の世界に憧れる主人公のエレン、クールだがエレンのこととなると見境がなくなる戦闘美少女・ミカサ、そして頭脳派・アルミンの3人を中心に、ストーリーが展開されるダークファンタジーだ。
連載開始当時から、その世界観や含蓄の多いストーリーで話題となってきた同作。
「調査兵団」の合言葉である「心臓を捧げよ」、また「駆逐してやる」などの台詞も有名となった。
2019年12月にコミックス(紙・電子書籍)の累計発行部数が、全世界で1億部を突破するほど、今や日本を代表する人気漫画といって差し支えないだろう。
海外でも、「Attack On Titan」と呼ばれ親しまれており、完結のニュースもすでに海外ファンに衝撃を与えているようだ。
2011年に『このマンガがすごい! 2011』オトコ編第1位、『全国書店員が選んだおすすめコミック2011』第1位など、数々の漫画賞を受賞してきた。
2013年よりテレビアニメの放送がスタートし、2020年12月よりNHK総合にて最終章が放送されているほか、2015年には故・三浦春馬さん主演で実写映画化(前篇・後篇)もされている。
また、山梨県富士吉田市のテーマパーク「富士急ハイランド」でも、進撃の巨人とコラボしたアトラクションが展開されるなどしてきた。
情熱大陸で作者の語った「最終コマ」
進撃の巨人の結末についてはネットなどでもたびたび討論され推測されているところだが、過去に作者である諫山氏がテレビ番組で言及したことがある。
作者本人の最終コマのイメージとして2018年11月放送のドキュメンタリー番組「情熱大陸」(TBS系)で披露されたラフ画は、ある人物が子どもを抱きしめ、「お前は自由だ…」と語りかけるシーン。
これが誰と誰なのかなどは明かされておらず、主人公のエレンとその父である説や、エレンが自分の子どもを抱きしめている説などが流れた。
あわせて、情熱大陸放送後の2019年に開催された原画展「進撃の巨人展 FINAL」では、作者の構想する「最終回の音」が初公開された。
諫山氏がその当時に構想していた最終話の風景から、その音を表現したとされる音声データだ。地鳴り、風、銃声などのような音が聞こえたといい、ファンらの想像をかき立てた。
また、過去に公式ガイドブック「ANSWERS」にて、作者は「エレンが越えるべき存在を乗り越えることで物語が完結する」とも語っており、以前から、完結に向けての構想は強く固めている姿勢を見せていた。
伏線はすべて回収されるのか?
進撃の巨人を語るうえで欠かせないのが、作品のあちこちに散りばめられている「伏線」とそれを上手に回収していく作者の手腕だ。
まず第1話のタイトルが、「二千年後の君へ」という不思議な題名で、この意味がいつになったらわかるのかとファンらはネットなどで各自の推測をしていた。
そして連載開始から約10年経った第122話のタイトルが「二千年前の君から」という、第1話のタイトルに呼応した形で題されており伏線が見事に回収され、考察好きのファンは大興奮だったようだ。
あと4話で完結することが発表され、読者らはネットなどでまだ回収しきられていない伏線を挙げ、これらが最終話までにどう解消されていくのかを推測し合っている。
特に、第1話の冒頭が主人公のエレンが夢から目覚めたようなシーンで始まっており、その夢の内容が重要な伏線として回収されるはずと期待しているファンが多いようだ。
最終話まで残りわずか。作者である諫山氏の頭の中ではすべて決まっているのだろう。終わりまで目が離せない。
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