スタジオジブリの最新作『レッドタートル ある島の物語』は劇中に一切台詞が出てこないという。
「絵に力があれば言葉はいらない」
と、スタジオジブリの最新作『レッドタートル ある島の物語』を担当した鈴木敏夫プロデューサーは語った。
「初めは観客に受け入れられるか不安だった」
マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督が、人間と自然が織り成す壮大なる“無言劇”について不安もあったと告白。
9月17日公開スタジオジブリ最新作『レッドタートル ある島の物語』
出典:twitter画像
スタジオジブリ最新作『レッドタートル ある島の物語』は、『岸辺のふたり』で第73回アカデミー賞短編アニメ映画賞を受賞したマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督。
そして、鈴木敏夫プロデューサーが熱烈なラブコールに応えて初挑戦した長編アニメーション映画だ。
スタジオジブリ最新作『レッドタートル ある島の物語』は、まさにチャレンジ精神の塊だといわれている。
海外監督との初タッグ、10年間にわたる妥協なき映画づくり、さらには苦渋の末に決断した津波シーンの挿入など、数え出したらキリが無い本作。
特に81分間、一切のセリフをなくした斬新な演出スタイルは、度肝を抜くチャレンジといえる。
ジブリ最新作『レッドタートル ある島の物語』は一切台詞なし!その理由とは?
当初、わずかながらセリフがあったというマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督は
「物語や主人公の人間性を出すために、ある程度は必要だと考えていましたが、『思い切って全部削ってみては?』と高畑さんからアドバイスをいただいて。観客に受け入れられるかどうか、怖い部分もあったのですが、アニメーションの完成度にとても満足していたので、その言葉で不安が一気に吹き飛びました」
と、台詞一切無しに挑戦することを決めたという。これに対して鈴木敏夫プロデューサーは
「実は日本のスタッフの中で、セリフをなくすことを一番主張していたのは僕なんですよ。高畑さんは監督であり作家でしょ? 同じクリエイターとしてマイケルのやることを邪魔しちゃいけないというスタンス。だから、一歩引いたところで慎重に助言を出すんですね。ところが、僕はプロデューサーだから『話題にもなる!』とか露骨に言っちゃう」
と苦笑い。さらに、もともとセリフのない映画をつくってみたかったという鈴木敏夫プロデューサーは、
「絵に力があったら、言葉はいらないんじゃないかと僕は思っているんですよ。しかも、今回は才能あふれるマイケルがやるわけでしょ? 当然、絵に力があるわけだから、こんなチャンスはないじゃないですか。まさに夢のプランですよ」
と、ジブリ最新作『レッドタートル ある島の物語』への意気込みを語った。映画『レッドタートル ある島の物語』は9月17日より全国公開。
ジブリ最新作『レッドタートル ある島の物語』予告動画・あらすじ
https://youtu.be/xlAa09PB-c4
見知らぬ無人島に流れ着いた男が、自然の美しさ、優しさ、厳しさに触れながら、その後の人生を紡いでいく姿を描く。
『かぐや姫の物語』などの高畑勲監督もアーティスティック・プロデューサーとして参加。第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門特別賞を受賞。
スタジオジブリ最新作『レッドタートル ある島の物語』は9月17日より全国公開。