女優の竹内結子さんが急死した。40歳の若さだった。
今月27日午前2時ごろ、東京都渋谷区の自宅マンションで意識不明の状態になっているのを夫で俳優の中林大樹(たいき)が発見、119番通報した。
竹内さんは搬送先の病院で死亡が確認された。警視庁は状況から自殺とみているが、遺書は見つかっていない。
竹内さんは昨年2月に再婚、今年1月には第2子となる男児を出産。幸せな家庭を新たに築いたと思われていただけに、あまりに突然の悲報だった。
突然の自殺なぜ?自宅の寝室で
救急通報があったのは27日午前2時ごろ。自宅にいた中林が寝室に入り、クローゼットの中で意識不明状態の竹内さんを見つけた。
家には夫である中林のほかに子ども2人もいたが、異音や異常には気付かなかったという。
竹内さんは埼玉県出身。1999~2000年のNHK連続テレビ小説「あすか」でヒロインを演じた。
映画「いま、会いにゆきます」で共演した中村獅童との間に長男をもうけたが、その後離婚。事務所の後輩である中林と再婚し、今年1月に次男を出産したばかりだった。
新たに人生をともに歩む相手を見つけ、愛の結晶を授かり、仕事を休んで子育てに専念しているだろう、幸せな家庭を築いているのだろうと、誰もが思っていた。
この数時間前には、家族で外食をしたという。竹内さんはいたって普通に振る舞っていたといい、団らん後に2階に上がっていった竹内さんを見て、「疲れて寝たのだろうと思っていた」と夫である中林は打ち明けている。
そしてその後、自身も寝るために2階の寝室に行ったが、そこに妻の姿はない。不審に思って探索した結果、クローゼット内でぐったりとした竹内さんを発見したという。
普通に振る舞っていたというだけに、自殺が衝動的なものだった可能性もある。首吊り用に用具を用意したのか、自宅にあるもので行ったのか、などは明らかにされていない。
夫である中林をはじめ、中学生であると思われる長男、生後8ヶ月の次男。周囲の人たちの失意は計り知れない。
イベントにも出演したばかり
順風満帆な女優人生を歩み、着実にキャリアを積み重ねて常に主役を張る、大女優と言われるまでになった竹内さん。
このほかテレビドラマでは、「ランチの女王」、「ストロベリーナイト」に出演。
また映画では、前出の「いま、会いにゆきます」や、今年公開された「コンフィデンスマンJP プリンセス編」に出演するなど、数多くの作品で活躍した。
子育てに加えて新型コロナウイルス感染拡大もあって、今年はドラマや映画などに多く出演することこそなかったが、その名前を世間が忘れることはなかった。
今月1日には、6年にわたってCMキャラクターを務めている「サッポロ一番」のイベントに、Kis-My-Ft2のメンバーらとともに出席。第2子出産後、初めて公の場に出た。
少しもブランクを感じさせることなく、シックなドレス姿で笑顔を振りまきながら、おいしそうに商品をほおばった。
「6年って聞くと長い期間だった気がしますが、あっという間。お湯を沸かすのもハラハラしながら息子(長男)が、自分でサッポロ一番を作るようになって、夫と一緒に夜食を囲んでヒソヒソ男同士の話をしていたりする。そういう景色の移り変わりと一緒にサッポロ一番があります」
イベントでは幸せそうにこうプライベートを話し、同日には自身のインスタグラムも更新。
「みんな~夏休み中も元気で過ごしてましたか?新学期に向けて前髪作りました」
とうれしそうに新しい髪形を披露していた。それから26日。誰もが想像しない死だった。
三浦春馬さんとの共通点?
三浦春馬さん、芦名星さんなど人気俳優の自殺が続けて報道されている。すでにショックを受けていた人も多いなか、追い打ちをかけるようなニュースだ。
驚くことに、先日亡くなった三浦さんも芦名さんも、自宅のクローゼット内で首吊りという、竹内さんとまったく同じ状況で発見されたと報道されている。
竹内さんは過去には、それぞれ別の作品ではあるが、この2人と共演したこともある。
竹内さんと三浦さんは長澤まさみが主演の「コンフィデンスマンJP」シリーズで共演。
竹内さんは“香港の女帝”ラン・リウを演じ、今年7月に自殺した三浦春馬さん演じる天才恋愛詐欺師ジェシーから接近されるという設定だった。
劇中では2人が仲睦まじくアイスを食べながらデートするシーンも見られた 。このシーンの撮影風景は、2人の死を受けSNSなどで拡散された。
演じることに対する価値観が似ているということもあって、その後も2人は連絡を取り合うことがあったという。
また、2018年放送のドラマ『イノセント・デイズ』(WOWOW)では芦名星さんとも共演をしている。
三浦さん、芦名さんの相次ぐ死にショックを受けていたことも遠因ではなかろうか。
あまりに不可解な死が相次いでいることから、他殺説まで囁かれるように。しかし、実際の状況などを鑑みると、現実的ではないだろう。
「自分の人生を大事に」産後うつの可能性も
現在発売中の女性誌『LEE』では竹内さんは表紙を飾っており、そこでは育児や仕事について、以下のように前向きに語ってる。
「実は2度の出産で仕事を離れることには不安がありました。特に長男のときは、私の代わりはいくらでもいると思っていて、怖くてたまらなかった」
「少しでも早く仕事に復帰して、多くの現場をこなさなきゃと必死でした。でも今回、たっぷり時間があって家族と向き合って、自分の人生をもう少し大事にしてもいいんじゃないかと思えました」
このように、自分や家族の今後について前向きに語っていた人が死を選ぶとは、本当に考えにくい。
専門家は、竹内さんが「産後うつ」だった可能性も高いと見ているようだ。
産後うつの症状は人それぞれで、憔悴が目に見えて明らかな人もいれば、そうでない人も。
竹内さんのように、元来明るく朗らかな人でも条件がそろえば容易に罹ってしまうという。
子供の夜泣きの頻度や激しさもまちまちなので、育児の大変さはひとくくりにすることはできない。
しかし、本人の遺書も見つかっていない以上、あまり推測でものを言うのは望ましくない。将来、残された子供たちが自分を責めるようなことがあっては、本人も浮かばれないだろう。
ご冥福を心よりお祈りします。