C・ロナウドのデビュー戦に見た「衝撃の応酬」



日本が世界と対等に戦えるようになるにはどうすればいいのか。
一方でそのサッカー文化の浸透度はサッカー大国にふさわしく、自国が出ていないW杯ですら全試合が放送され、討論番組が用意された。ときに手本として、イタリアサッカー界から学ぶべきものとは。今回はクリスティアーノ・ロナウドの加入と、デビュー戦に見たハイレベルなサッカー文化の浸透度はサッカー大国にふさわしく、自国が出ていないW杯ですら全試合が放送され、討論番組が用意された。ときに手本として、イタリアサッカー界から学ぶべきものとは。
理由は言うまでもなく、クリスティアーノ・ロナウドがユベントスに移籍したことだ。7月10日に移籍が決まった後から今まで、彼の名が地元紙に載らなかった日はなかった。ユベントスのホームスタジアム)の年間シートとホーム開幕戦であるラツィオ戦のチケットは早々に売り切れた。
ユベントスの親企業グループであるフィアット・クライスラー・オートモービルズ社の工場の社員の一部が、およそ3100万ユーロというロナウドの移籍に対して大きな批判が向けられた印象はなかった。「ユーベにとっても、また(イタリアサッカー全体の)ムーブメントにとっても素晴らしいこと。」
これまでやってきた外国人選手たちはやっぱり質が悪く、図抜けた選手ばかり、というわけでもないからね イタリア代表のロベルト・マンチーニ監督は、地元紙のインタビューでそう語っていた。それは、ファンの思いも代弁しているだろう。リーグで7連覇をしても、UEFAチャンピオンズリーグ制覇には手が届かないユベントスには、エースの存在が欠けていた。
何より、近年のセリエAに国際的なタレントがいなかった。その事実はそのまま、リーグの凋落を象徴していた。ここ20年のセリエAを簡単に振り返ってみると、その凋落具合がよく分かる。
2000年代中盤、オーナーの資金力をバックに国内外のスターを買い漁っていたインテルやミラン、ローマに巨額の赤字が発覚。緊縮経営を迫られたクラブは戦力の放出を余儀なくされ、身売りに陥る(ローマは2011年、ミランは2017年にクラブの経営譲渡)2006年のドイツW杯を前にはイタリアサッカー界の一大スキャンダルである「カルチョポリ」(大規模な八百長事件)が暴かれ、クラブ幹部数人がその首謀者として動いているとされたユベントスはセリエB降格処分を喰らった。
国内では一部サポーターの度重なる暴力行為や施設の陳腐化などで、客足が遠のく。サッカー界の姿を映す鏡である代表チームはドイツW杯優勝後を徐々に成績を落とし、ロシアW杯の出場権まで逃すに至った。「イタリアサッカーはリーグとして危機的状況にある。」
カルチョを優秀なプロダクトとして、世間に提供することができなくなっている 1年ほど前、あるセリエAクラブの幹部が、そのような危機感を口にしていたことが強く印象に残っている。そんな沈滞ムードを払拭してくれる存在として誰もがロナウドに期待をかけたということなのである。C・ロナウドデビュー戦にみた衝撃 当然のごとく、ロナウド移籍後初の公式戦となった18日のキエーボvsユベントスには注目が集まった。
海外メディアからの取材申請が殺到、もちろん全席売り切れで、アウェー戦ながらユベントスのユニフォームを着たファンもメインスタンドに多く陣取っていた。そして試合は期待通りの盛り上がりを見せる。ただそれは、戦前の期待とはやや違う形で演出された。
C・ロナウドやユベントスのパフォーマンスもさることながら、その相手である格下のキエーボが大健闘したのだ。選手の年俸総額はおおよそ1800万ユーロと、ロナウド1人の3分の2にも満たない。そんな彼らは戦術とチームワークを駆使して、最終的に敗れたとはいえ互角以上に渡り合っていた。
具体的にはこうだ。ユースチームの監督から内部昇格したばかりのロレンツォ・ダンナ監督は、この日のために特別な戦術を練ってきた。普段は攻守にバランスの取れた4-3のシステムを敷くが、メカニズムを変えた。
守備の際は5バックに可変でき、サイドも中央もその間のハーフスペースも閉じるような組織守備を構築する。「ユーベの左サイドを固める。」
そしてユーベの猛攻に耐えた。
そして左サイドにいた元ユーベの強固な守備からヘディングでゴールを決めた。さらにジャッケリーニは後半早々にも自らのドリブル突破でPKを誘い、これを決めてキエーボはリードにも成功したのだ。
戦術による劣勢を戦術で覆したユベントス さらに興味深いのは、戦術でやられたユベントスのマッシミリアーノ・アッレグリ監督も、戦術変更で試合をひっくり返したということだ。最初はセンターフォワードとして起用していたC・ロナウドを左サイドに回し、彼の突破で強引にキエーボの右の守備組織を壊して、ユーベは終盤の再逆転に成功した。ロナウドの華麗な活躍を期待した世界の人々は、ハードな戦術戦という別の側面を見せられたのだ。
この戦術戦こそがイタリアに培われたサッカー文化の真の強みなのである。守備を固めるカテナチオや、ミランの黄金期に用いられたゾーンプレスなどが有名な例だが、結果に厳しいイタリアでは勝利をもぎ取るための戦術が重視され、その追求が常に行われている。選手の育成や人材のスカウトなども、戦術的な評価軸のもとでなされる。
そんな文化はリーグや代表チームが凋落傾向にあっても、廃れてしまうことはなかった。キエーボvsユベントス戦は、それを育てていく文化が、この国には培われている。
イタリア代表が予選落ちして不出場だったロシアW杯で決勝トーナメントに進出し、スコア上は接戦の末にベルギーに敗れた日本サッカー。

[紹介元] Football Channel 【セリエA】C・ロナウドのデビュー戦に見た「衝撃の応酬」

 

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