トランスジェンダーとは一般的に、こころの性別と、実際の体の性別が一致していない人のことをいう。佐藤の場合は、生物学的には男性として生まれたが、こころは女性であった。
小学校入学時に、ランドセルの色の違いや席順で自分の性に違和感を自覚し、小学3年生の時に着替えが男女別に行われるようになると、違和感はより顕著となったという。
そのため思春期から思い悩み、中学卒業と同時に家を出たという。そこからコンビニ店員、婦人服関連の仕事を経て、モデルに。レースクイーンやラウンドガールなどを経験した
テレビ出演など仕事が急増するも、その一方で「どうしても地元の人とかが(自分のこと)見たことあるし、本当のことを知っている人っていうのがウワサになっていたりとかして、追い詰められていったっていうのもあります」とし、トランスジェンダーの自分を隠しながらの生活で、周囲の目が気になり追い詰められていたと明かした。
「たぶん気付かないようにはしていたけど、疑心暗鬼にはなっていました」と振り返った。そして、20歳の時にテレビ番組で、「元々は男性として生まれた」ことをカミングアウトした。
佐藤は「心境的に男とか女ではなくて、トランスジェンダーとしての自分として歩き始めたっていう、人生が始まったのかなっていう風に思います」と、カミングアウトした当時の心境を明かした。
テレビから離れたのはナゼ?
トランスジェンダーをカミングアウトした後は、バラエティーに引っ張りだこになるなど活躍したが、すべてがうまくいったわけではなかった。人気の一方で苦悩があったといい、
「テレビとかって、“良くないところが良いところ”だったりする。だらしなかったり、気分が上がり下がり激しかったりとか、人と接する距離感が凄い近くだったりとか、一般社会では疎遠されがちなような所が実はテレビのお仕事だったら良い部分であったりとかする。でも、あの当時の私はなんか人に嫌われることを凄く怖がっていた」
と“視聴者に嫌われたくない”という漠然とした不安があり、次第にテレビ業界・芸能界から離れていった経緯があったと説明した。