歌丸さんと円楽さんの結びつき
山田の悲痛な叫びは同時に、2018年に故・桂歌丸さんが亡くなった際の円楽さんの言葉も思い出させた。歌丸さんの死後、「桂歌丸師匠ありがとうスペシャル」として、歌丸さんの名場面を振り返る内容を放送していた「笑点」。
メンバーによる歌丸さんを偲ぶ大喜利の時間となると、回答者らは悲しみを堪え、「笑点」らしく笑いで追悼した。思い思いの回答で、回答者らが歌丸さんを偲ぶ中、最後に手を挙げたのが、歌丸さんと長年共演し、罵り合いを演じてきた円楽さんだった。
番組では舌戦を繰り広げ、視聴者や観客を楽しませる2人だったが、公私ともに親交が深かった。信頼で結びついていたがゆえに、生前は「高齢ネタ」「死亡ネタ」も嫌みなく繰り広げていた。
桂歌丸大喜利人生 笑点メンバーが語る不屈の芸人魂 /ぴあ/日本テレビ
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回答者に指名された円楽さんは「歌丸師匠、一緒に回答者だった頃、そして、司会になられても私の悪口を、優しく受け止めてくれて、罵詈雑言にも耐えていただいて、ありがとうございました」と故人を偲ぶ。
そして「最後に一言言わせてください。ジジイ！」といつものように憎まれ口まじりで叫んだ。いつもの死亡ネタで来るのかと思われたが、円楽さんは涙目になりながら、「早すぎるんだよ」と絶叫し、涙を堪えるような表情を見せた。
それまでは和やかな雰囲気だった会場もこのときには笑いが静まり、万雷の拍手となったのだった。会場も視聴者も、2人の普段のやりとりや絆を知っていたからこその反応だった。
それから4年の月日が流れ、円楽さんも天国へと旅だった。歌丸さんよりも若くして旅立った円楽さんに、SNSでもこのときの言葉を借りて、「早すぎるんだよ」などの追悼のコメントが相次いだ。
