そして、「皆さんの応援の力の中で羽生結弦としてフィギュアスケートを全うできるのが、本当に幸せです。まだまだ未熟な自分ですけれども、プロのアスリートとしてスケートを続けていくことを決意いたしました」として、彼なりの言葉で、第一線を退いてプロに転向する意向であることを説明した。
4回転半には挑戦し続けたい
「競技者として比べられることはなくなる」と勝負の舞台から降りるとする一方で、これまでも挑戦してきた、前人未踏の4回転半ジャンプへの挑戦は今後も続けていきたいと、数度にわたって強調した羽生。
「これからは、自分のことを認めつつ、また、自分の弱さと、そして自分の、過去の自分とも戦い続けながらこれからも滑っていきたいと思っています。そして、4回転半ジャンプにもより一層取り組んで、皆さんの前で成功させられることを、強く考えながらこれからも頑張っていきます。どうか戦い続ける姿をこれからも応援していただけたらうれしいです」
「まだ今までスケートを生で見たことがない方も含めて見て良かったなと、絶対に見る価値があるなと、そう思っていただけるようにこれからもさらに頑張っていきます。そして4回転半ジャンプも含めて挑戦を続けて、これからもさらに高いステージにいけるように頑張っていきます」
「これからはプロのアスリートとして、そしてスポーツであるフィギュアスケートを大切にしながら、加えて羽生結弦の理想を追い求めながら頑張っていきます。どうかこれからも戦い抜く姿を応援してください」
とし、今後は違う形でスケートに携わっていくことを伝えた。また一通り話し終わった後には、自分の口からはうまく説明できないと釈明した上で、「質問してもらえればたくさん話せる」と記者らに自身への質問を求めるシーンもあった。
宇野昌磨コメント「ゆづくんの背中をずっと追いかけ続けてきた」
羽生の会見を受け、幼少期から羽生を知り、また近年では日本・世界の場でライバルであり続けてきた宇野昌磨もコメントを発表。この場では古くからの呼び名である「ゆづくん」で呼びたいと前置きをした上で、
「ゆづくんの背中をずっと追いかけ続けてきて、今後の競技会で同じ競技者として会えないことにはまだ実感がありません。ただ、ここまでフィギュアスケート界を牽引し、プロに転向されてもゆづくんは変わらず牽引し続ける存在だと僕は思っています」
「今こうしてフィギュアスケートが多くの方々に認知されるようになったのは、先輩方の功績だけでなく、やはりゆづくんの存在がとても大きかったです。今まで誰も成し遂げたことのないことを成し遂げる、それがどれだけ大変なことであっても最前線を何年も何年も走り続けていく姿勢は誰も真似できないですし、背中を追い続ける僕にとっては大きな道標でもありました」
とし、羽生の功績や、フィギュアスケートの発展にどれだけ寄与してきたかということを語った。