東宝が、スタジオジブリの過去4作品を6月26日から全国の300をこえる映画館でふたたび上映することを発表した。
さっそくツイッターでは、企画ハッシュタグ「#一生に一度は、映画館でジブリを。」のほか、各作品のタイトルがトレンド入りしている。
数ある作品群の中で、「なぜこの作品が?」とジブリファンからは疑問の声も上がっている。
上映予定の映画館はこちら
東宝がこのたび再度の上映を発表したのが、『風の谷のナウシカ』(1984年)、『もののけ姫』(1997年)、『千と千尋の神隠し』(2001年)、そして『ゲド戦記』(2006年)の4作品。
TOHOシネマズ日比谷など、東宝系の全国372館で上映される予定だ。今現在わかっているのは、全国のユナイテッドシネマ、イオンシネマなど。
そのほかにも、東宝のホームページや、各映画館や劇場がそれぞれ発信するSNSなどで確認できるようだ。
気になる作品は
[adsense]「風の谷のナウシカ」は宮崎駿氏が原作・脚本・監督。『火垂るの墓』も手がけた故・高畑勲氏がプロデュースを務めた。
地球壊滅後の近未来を舞台に、巨大な虫・王蟲(オーム)と交流できるナウシカが人間の争いに巻き込まれていく話。
大戦争により産業が崩壊してから1000年、人類は衰退しているという設定や、それに立ち向かう主人公が少女であることなどから注目を集めた。
「もののけ姫」は興行収入193億円を記録し、現在歴代興収7位の大ヒット映画。声優も、石田ゆり子、美輪明宏、西村雅彦など豪華メンバーだ。
山里に暮らす若者、主人公のアシタカが、人間でありながら山犬に育てられ、山犬として生きる少女サン(”もののけ姫”)と出会い、人間と山犬たちの争いの中で奮闘する話。
同時に、森や自然と人間との共存を模索していく物語が描かれており、環境問題などを考えさせられる、含蓄のある内容となっている。
宮崎氏が原作・脚本・監督。主題歌である米良美一の「もののけ姫」も大きな人気を集めた。
「千と千尋の神隠し」は興行収入308億円という驚異の記録を打ち立て、今も歴代興収1位を誇る。
ベルリン国際映画祭のグランプリに相当する金熊賞、アカデミー賞では長編アニメ映画賞を受賞し、海外でも高く評価された。
少女・千尋が両親とともに森にたたずむトンネルに迷い込むことから話は始まる。
人間とは別次元の世界、神々の世界に迷い込み、おきてを破って豚に変えられた両親を元の姿に戻すため銭湯で働く話。
そこで出会った人々(や神々)との物語がつむがれ、何もできなかった一人の少女が困難に立ち向かっていく姿が描かれる。
声優陣も豪華で、菅原文太、夏木マリ、内藤剛志などが主要キャラクターの声を務めた。こちらも宮崎氏が原作・脚本・監督。
「ゲド戦記」は原案は宮崎氏で、監督を息子の宮崎吾朗氏が務め、その体制が注目を集めた。
竜が突如、人間の世界に現れ、巨大な国の王子アレンが国を捨てて逃げる最中、賢者ハイタカ(ゲド)に命を助けられる。アレンは世界に異変を起こしている災いの原因を探す。
スタジオジブリの作品群の中でもストーリーが難解だとされ、アメリカの小説家であるアーシュラ・K・ル=グウィンの同名の小説をもとにしている。
[adsense]原作である小説は「ナルニア国物語」「指輪物語」(ロードオブザリング)とともに、世界三大ファンタジーとも称される。
V6の岡田准一がアレンの声を務めた。そのほか声優陣は、香川照之、主題歌『テルーの唄』も務めた手嶌葵、夏川結衣など。
ファンからは不満の声?
さっそくツイッターでトレンド入りしているだけあり、歓迎されているように見受けられるこの企画。
[adsense]新型コロナウイルス感染拡大で各映画の撮影が後ろ倒しになっている中で、国民的人気作であるジブリの作品を映画館で上映するというのは、消費者にとっても、人々を映画館に向かわせようというムーブメントにとっても、良い企画に思われる。
しかし一方で、この作品のラインナップには少なからず不満の声が集まっているのも事実のようだ。
主には、「なぜあまり世間受けしなかったゲド戦記が選ばれたのか?」という疑問を持っている人が多い様子。
ゲド戦記を選ばずとも、それを超える人気作である「ハウルの動く城」や、ジブリの代表作ともいえる「となりのトトロ」「魔女の宅急便」でもよいのでは、という声が多く集まっている。
ジブリの作品の中では酷評されることも多い「ゲド戦記」。メガホンをとったのが宮崎駿氏本人ではなく息子だったということもあり、宮崎駿信者にとっては格好の批判ターゲットとなってしまった可能性もある。
その難解なストーリーゆえに理解されないことも多いように見受けられるこの「ゲド戦記」だが、上映当時はまだ子供だった人が大人になっていたり、再び見返したことで以前には気づけなかった良さに気づけるという可能性も。
ゲド戦記の良し悪しに関わらず、第二弾をやってほしいという声もさっそく多く集まっている。今後の発表にも期待だ。